[Symposium on clinical aspects and pathogenesis of autoimmune diseases. (2). Autoimmune diseases of the hematopoietic system with special reference to autoimmunity to red blood cells].

まえがき 本来造血系の自己免疫 といえば,赤 血球系,白 血球系,血 小板系の3者 に触れるべきで あ ろ う が,紙 面の都合上代表 として赤血球系のみを取 り 上げた. 自己免疫性溶血症(AHD)に ついて全国集計 観察を行なうと共に,種 々の観点か らの免疫学的 検索,本 症の成立機転について若干の検討成績を 述べる。 全国集計による観察 全国各地の大学および病院47施 設 より供給され た症例100お よび教室例41例 の計141例 を第1表 に示 した.す なわち原発性症例(IAHD)92例, 続発性症例(SAHD)45例,寒 冷血色素尿症4 例である.寒 冷血色素尿症例は数が少ないので以 下IAHDお よびSAHDに ついてのみ述べる. IAHDとSAHDの 発生頻度は大体2:1に な つている。これはLal and Speiser1), Van Long hemら2)の それ と大体一致 している.性 差による 本症の発生頻度については現在症例数がなお充分 でなく断言で きる段階ではないが,集 計成績では 10%の 危 険 率 で 女 に 多 い と い え る.欧 米 に お け る